ここは、足尾砂防ダム(
マピオン)の上流です。左側が松木沢、右側が久蔵沢です。
見慣れた日本の森林の風景と少し違っています。そう、山に緑が少ない、山がうっそうとした森林に覆われていません。なぜでしょうか。
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明治14年から、足尾銅山に鉱脈が発見され、生産量が増加しました。その結果、製錬用薪炭、蒸気機関車用燃料、坑木などに膨大な木材を消費するようになり、周辺の森林の伐採が進みました。
明治20年には、1,100haの森林を消失する山火事が起きています。
明治26年に採用されたベツセマー式製錬法により、鉱煙害が発生し、森林の荒廃が進行しました。
雨が多い日本の気候では、森林を伐採したり、山火事で森林が消失しても、時間がかかりますが、草木が芽生え、天然更新により森林が再生します。
しかし、製錬で発生する有毒ガスにより、芽生えた草木が枯れ、森林が再生されませんでした。
地表の草木を失った山々は、森林土壌の流出が続き、日本のグランドキャニオンと化しました。
足尾砂防ダムの上流に堆積している土砂は、そうした森林土壌の一部です。
植生の遷移については、「
アカマツの純林」を御覧ください。「
放って置いても森林に戻るか。」も御覧ください。