小学校の校庭に立つ二宮尊徳は、手には本を持ち、背中には薪の束を背負っていました。かつては生活のため否応なしに、どちらかと言えば強制的に森林と関わり、その中で風土に基づいた現実的な自然観を育んできました。しかし現代は、日常の場から森林が姿を消すことにより、森林は遠い存在となりました。
緑(森林)に対する市民の関心が高まっていると言われていますが、遠いものや非日常的なものに対しての憧れから「森林を愛している気持ち」になっているとも思います。森林への理解は森林での体験をとおして図られると、私は思います。
百匹目の猿へ