ブナは温帯林を代表する落葉高木で、日本の代表的な広葉樹です。しかし、ブナ林と言うと貴重な森林のイメージがあります。それは、青森県と秋田県境の白神山地が森林生態系保護地域に指定されているからでしょうか。
一方、木材としてのブナは、乾燥が難しく、狂いが生じやすく、変色が入りやすく、虫害にかかりやすいことなどから、役にたたない木、木では無いと言うことで「木無」とも書きます。
奥入瀬から
酸ヶ湯に向かう途中に、ちょっと変わった森林を見つけました。
この付近は、大正の末から昭和の初めにかけて、牛馬の放牧のため、日陰をつくるのに必要な少しのブナなどの樹木を残し、ほとんどが伐られてしまったようです。それから70年、残されたブナなどの樹木の種から芽生えた木々が再び生長し、写真のようなブナ林(2千本/ha)になったそうです。写真の中央に残されたと思われるブナの大木が見えます。